遠藤周作さんは時々読むんですが、クリスチャンということもあり、宗教をテーマにした作品が多いですね。今回もキリスト教がテーマです。
私にしてみれば、キリスト教は、大国が仕掛けた植民地化を推し進めるための一種の手段としか考えていませんでした。あまりキリスト教自体に興味がなかったせいもあるかもしれません。
しかし、キリスト教信仰の裏で沢山の血と涙が流れた時代があったんです。棄教しないものは殺されたり拷問されたり、この拷問がまた酷い。なかでも“穴吊り”という方法は縄で体をぐるぐる巻きにされ逆さ吊りにされるのですが、耳の後ろに穴を開け頭が充血してすぐに死なないようにするもの。苦痛を長引かせるために考えられたもっとも残酷な拷問です。
こんなことが繰り返される時代に布教活動のために遠い異国からやってきた教父、そしてその彼の後を追ってきた司祭たちの悲劇的な運命は、とても苛酷なものだったに違いありません。そのなかで信仰とは一体何なのか、その意味を考えさせられます。答えなんかありませんよ。私の考えに関して言えば、精神は誰のものでもないのだから例え他人に蔑まれても、自分が信じるものを守っていけばよいだけじゃないですか。多分。幸せな時代に産まれた私達、命を粗末にしちゃいけませんよ。もっと一生懸命いけなきゃいけないなと再認識させてくれる本でした。
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